『かんもく』の症状改善に「ショック療法」はリスクが大きい

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『かんもく』の症状が出始める時期

『かんもく』の症状が出始める時期は、人により異なります。
幼稚園や、小学校など、社会的な活動が始まる頃にでることが多いようです。
男の子より女の子の方が出やすい傾向があり、500人に1人の割合ででるというデータもあります。

ショック療法のような改善方法について

たまに、みんなの前で話をしている映像を流し、「話せるんだ!」とクラスのみんなが駆け寄ってきたので、勇気を出したら話せるようになった!
という、ショック療法のような改善方法がある。
と聞くことがあります。

しかし、これはたまたまその人のタイミングが重なり上手くいったのではないかと考えます。

『かんもく』の子ども達にとって、自分に注目が集まることは苦痛になることが多いです。
「みんなが見ている」「注目が自分に集まっている」という不安感が、『かんもく』の症状がでる引き金になることが多いからです。
ショック療法のような改善を試みることで、『かんもく』の症状が非常に悪化するリスクの方が大きいのです。
症状の悪化により、不安感が強くなり「うつ」の症状が出たり、社会への拒絶感が出てしまう恐れがあります。

「そのままの自分で良い」が初めの第一歩。

『かんもく』の改善への方法として
適切な支援を行いながらの「スモールステップ」をおすすめします。
『その特定の場所』『特定の社会的な人の集まり』『特定の活動内容』の場面において、
まずは、「話せなくても大丈夫」という環境を整えます。
「話せなくても良い」が、『かんもく』の子どものいつもの日常なのです。

「そのままの自分で良い」のです。

「そのままの自分で良い」という安心感の中で、社会的生活を行うことで、
『その特定の場所』『特定の社会的な人の集まり』『特定の活動内容』への不安感が和らぎます。

その社会的生活を毎日行う中で、少しずつ自信がついていきます。
階段を昇るように、一つずつできることを自分のタイミングで行います。
「スモールステップ」を踏むことにより、繰り返し行うことでできることが増えることもあります。

『かんもく』の症状改善は、まず安心できる環境を作る

「話すこと」に焦点をあてるのではなく、社会的活動においての不安感の改善などを考えます。

・入学時は不安そうに通学していたのに、不安感が薄くなり通学できるようになった。
・先生からの質問に、顔を見てうなづき・首振りでコミュニケーションが取れるようになった。
・授業中に、「発表」を友達が代読してくれることで、みんなの前に立てるようになった。
・グループ活動で、下を向いていたのに顔を上げてみんなの話が聞けるようになった。
・笑顔が見られるようになった。

など、『その特定の場所』『特定の社会的な人の集まり』『特定の活動内容』において、苦手であったことに対して
社会的活動への参加ができるようになったことは、立派な改善と言えます。

この「スモールステップ」による「自分への肯定感」と「自分の自信」が重なることによって、
「話す」ことができることがあります。

『その特定の場所』において、違う『場所』を経験することによって改善されることもある。

・近くの公園で遊ぶと、友達ができた。
・学校外の「おけいこ」など、学校以外の小規模の集まりであればできた。
・家の前や家の近く、学校外であればできた。
・児童館など、学校の友達はいるが、授業ではなく、遊び場としてであればできた。
・市の専門支援教室での1対1の「行動訓練」であれば、先生との交流ができた。

初めての経験の1回目は上手くいかなくて良い

全てのことにおいて「できない」と決めつけてしまわずに、いろいろな経験を積むことが大切です。

まず、頭にいれておくことは、

初めての経験の1回目は上手くいかなくて大丈夫

10回~20回位試してみて、少しできるようになれば良い

少しずつ、慣れていけば良いのです

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この記事を書いた人

かんもくの子どもをもつ保護者であり、教育の資格を保有しています。
かんもくを知ってもらうための活動をしています。

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