楽しいはずの行事で「注目」される視線が辛い !『緘黙』・『緘動』の症状が出やすい場面

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『かんもく』の子どもにとっての運動会や参観日の様子

我が子が幼児期の頃、運動会や参観日などいろんな行事がありました。
親としては、我が子の日頃の姿が見ることができる楽しみな機会です。
しかし、『かんもく』である我が子は、ビデオカメラやスマホの撮影、「注目」される視線が辛い様子でした。

参観日の日は帽子を深く深くかぶり、普段も前髪を切ることを嫌がることが多かったです。
お母さんが来てくれるのは嬉しい、でもたくさんの視線に顔を上げることができず、帽子をかぶって下をむいたままダンスや体操は、手を手首から先だけを動かすだけで精いっぱいでした。
緊張した表情で、顔はこわばっていていて上を向くことができません。
その様子をビデオカメラで撮影をしていいものかどうか、迷うこともありました。
幼児教室や幼稚園の頃、ズキズキと心が痛くなりながら我が子の成長を記録するのですが、「とても辛そうだな。」と感じていました。

幼児期における行事は、緊張感や不安感が強く『緘動』の症状に近い時期でした。
「おなかが痛い」ということもあり、無事にその日を過ごせるのか心配になることがよくありました。
行事のたびに、体が思うように動かないのではないかという様子でした。

■できるのにできない「悔しい」気持ち

本当は、運動が得意なはずなのに

足がとっても速いのに

緊張してしまい、徒競走では下を向いて走るしかありません

顔を上げると、周りの視線が自分の目に入ってしまうから

下を向いて走るので、前を向いて走ることができません

本当なら、1位になれるくらい走れるけれど帽子を深く深くかぶっているので前が見えません

前を向いて走れないので、思うように走ることができませんでした

『かんもく』の子どもは、自分の能力を緊張すると発揮できない場合があり
「悔しい」思いをすることが多々あります。

自信をつける経験が、きっかけになる


小学校に入り、縄跳びが得意な我が子は通常授業の体育の時間に縄跳びや跳び箱など「話す」ことを必要とされない場で、担任の先生に「お手本」を何人かの子どもたちと一緒に他の生徒にみてもらう機会を何度か作ってくださっていました。
見本になれた我が子は、よく休み時間に縄跳びの練習を自発的にしていたそうです。
友達が誘ってくれないときは、休み時間の間ずっと縄跳びをしている姿が見られたそうです。
「真面目」で「負けず嫌い」の性格は、一度褒めてもらえると嬉しくてどんどんできるようになりたい!と思えたのかもしれません。

小学校に入り、運動会になると運動に対して自信がついてきたように感じられました。
下しか見れなかった我が子は小学校に入り、体全体を動かして演技をしていました。
小学校の運動会でまっすぐ前を向くことができるようになっていました。
ビデオカメラで撮影しながら、「下向いてない!」と、感動した記憶があります。

前を向けるようになった運動会から、年々徒競走やリレーでも活躍する姿が見られました。
「○○ちゃんは、足が速いね。リレーにでてよ。」とクラスメイトから言ってもらったときは、嬉しかったようです。

「話せる」ようになったわけではありません。
でも、大きな一歩を踏み出すことができたのです。
普通のことかもしれません。
でも、今までどうしてもできなかったことができるようになったことは大きな進歩でした。

「できた」経験を少しずつ積み重ねる


・運動が得意である。縄跳びが上手に跳べる。字がきれい。など教師が、『かんもく』の子どもの得意なことを見つける。
・褒められる経験をすることで、自信を少しずつつけていく。
・自信のついた部分について改善がみられることがある

■運動会は大丈夫。でも、教室内での参観は苦手。


運動会では、自信をもって演技や競技ができるようになりましたが、教室内ではまた大きな壁があります。
教室内では、「発表」「グループ活動」「音読」などが授業中にあります。
「発表」では、友達に代読をしてもらったり「音読」は免除をしていただいていました。
しかし、参観では日頃の成果の「発表」をする機会が多く、教室内の後ろや廊下の窓から至近距離の保護者の「視線」には、まだまだ苦手感があります。
苦手ではあるものの、「参観にいってもいい?」と聞くと、「いいよ」と言ってくれていました。
「成果の発表」の授業のときは、表情が硬く辛そうですが、普通の授業のときはリラックスしている様子でした。
授業の内容によって、『かんもく』の症状が強く表れることがあります。

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この記事を書いた人

かんもくの子どもをもつ保護者であり、教育の資格を保有しています。
かんもくを知ってもらうための活動をしています。

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